
2000(平成12)年興収ベスト10
(一般社団法人日本映画製作連盟より)
1位/劇場版ポケットモンスター・結晶塔の帝王エンティ(東宝)
2位/ホワイトアウト(東宝)
3位/ドラえもん・のび太の太陽王伝説(東宝)
4位/名探偵コナン・瞳の中の暗殺者(東宝)
5位/ONE PIECEワンピース(東映)
6位/ゴジラ2000MILLENIUM(東宝)
7位/リング0バースディ(東宝)
8位/どら平太(東宝)
9位/GTO(東映)
10位/おじゃ魔女どれみ♯(東映)

1位/劇場版ポケットモンスター・結晶塔の帝王エンティ(東宝)
2000年7月8日に公開された。監督は湯山邦彦、脚本/首藤剛志、園田秀樹、主題歌/「虹が生まれた日」森公美子。ゲスト声優は竹中直人、加藤あい、薬丸裕英、山寺宏一。本作はTVアニメ「ポケットモンスター」の劇場版第3作である。
本作品で焦点を当てたのは、ポケモン「アンノーン」である。旅の途中、サトシたちはバトルで疲れたポケモンたちを休めるため、ある町に行くことにした。その町は、グリーンフィールドという緑のリゾート地である。
ゲーム中でも謎めいた存在として登場したアンノーンは、孤独な少女・ミーに力を与え、彼女の理想を実現にするパワーを与えるという今までの作品と違い「悪に襲われるポケモンを救う」のではなく、「ポケモンが少女を助ける」をテーマとしている。
グリーンフィールドにひとり寂しく暮らす少女ミー。ある日の夜、ミーが遺跡の研究中に行方不明になった考古学者の父親が残した文字カードを並べかえているとそこに突然、謎のポケモン「アンノーン」が姿を現す。
「アンノーン」が姿を現すと、緑ゆたかなグリーンフィールドはみるみる謎の結晶に覆われていく。異常事態に驚くサトシたちの前に幻のポケモン「エンテイ」が現れ、サトシのママを結晶塔に連れ去ってしまう。
アンノーンとエンテイを軸にして、いなくなった両親を求める少女と、さらわれた母親を救おうとするサトシ、それぞれの親子の絆が描かれる。サトシは無事にママを連れ戻し、グリーンフィールドの平和を取り戻すことができるのか!?
本作のテーマは「家族愛」で、アンノーンとミーの理想が作り出す幻想やキャラクターの活躍、親子の絆など魅力が詰まった作品である。脚本を手がけたのは劇場版第1・2作でも脚本を手掛けた首藤剛志であるが、本作では園田英樹との共同脚本となった。
本作の興行収入は48億5千万円を記録している。(2000年より興行収入となる)なお、本作は首藤剛志が存命中に担当した脚本であり最後のポケモン映画作品となった。これ以降の劇場版の脚本を手がけることになる園田秀樹との共作となった脚本の作品である。また、本作は第18回ゴールデングロス賞最優秀金賞を受賞している。


2位/ホワイトアウト(東宝)
2000年8月19日に公開された。監督は若松節朗、脚本/真保裕一、長谷川康夫、飯田健三郎。原作/真保裕一。出演/主演は「踊る大捜査線」の織田裕二。共演に「リング2」の松嶋菜々子、「顔」の佐藤浩市、石黒賢、河原崎健三、平田満、阿南健治、市川勇、高橋一生、中村嘉葎雄、石井愃一、古尾谷雅人ほか。
本作は、真保裕一のサスペンス小説を原作にしている。1995年に新潮社から発刊され、第17回吉川英治文学賞新人賞を受賞、小説は120万部を超えるベストセラーとなっている。
監督は、本作が初監督作となる若松節朗で、原作者の真保裕一と「君を忘れない」の長谷川康夫、「恋は舞い降りた。」の飯田健三郎が脚色。撮影は「AUDITION」の山本英夫が担当している。
真保裕一原作のベストセラー小説を、織田裕二の主演で映画化。日本最大のダムを占拠したテロリストとの壮絶で本格アクションである。武装テロリストが政府に50億円を要求。ダム従業員・富樫(織田裕二)が、たったひとりでテロリストから人質を救い出すための戦いを描くサスペンス・アクション。
本作の興行収入は42億円を記録している。さらに、本作は第24回日本アカデミー賞で・最優秀助演男優賞(佐藤浩市)・最優秀録音賞(小野寺修)・優秀作品賞、優秀監督賞(若松節朗・、優秀主演男優賞(織田裕二)・優秀主演女優賞(松嶋菜々子)・優秀音楽賞(ケンイシイ、住友紀人)・優秀撮影賞(山本英夫)・優秀照明賞(本橋義一)・優秀美術賞(小川富美)・優秀編集賞(深沢佳文)を受賞している。
さらに、第18回ゴールデングロス賞優秀銀賞。マネーメイキングスター賞。報知映画賞最優秀主演男優賞(2000年、織田裕二)。第43回ブルーリボン賞 最優秀主演男優賞(2001年、織田裕二)。日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞(2000年、織田裕二)と数々の栄誉に輝いた作品でもある。

3位/ドラえもん・のび太の太陽王伝説(東宝)
2000年3月11日に公開された。監督は芝山努、脚本/岩間信明、撮影監督/梅田俊之、原作/藤子・F・不二雄。「月刊コロコロコミッ」1999年10月号から2000年3月号に掲載し大長編ドラえもんシリーズの作品。
本作はドラえもん誕生30周年記念作品として制作された、映画シリーズ第21作で大長編シリーズ第20作である。「ドラえもん のび太の宇宙漂流記」の岸間信明が脚本を執筆。撮影監督に「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」の梅田俊之があたっている。
本作の興行収入は30億5千万円を記録している。本作の冒頭部では、マーク・トゥエイン作の児童文学「王子と乞食」を下敷きにしており、舞台は太陽の国と呼ばれる古代文明の王国「マヤナ国」であるが、ティオたちの服装や階段の付いたピラミッド、生きた人間を生け贄にする「食の儀式」などの描写が、古代のアステカ文明、マヤ文明をモチーフにしたと思われる。
ドラえもんのひみつ道具「タイムホール」で別の時空の世界へとつながって、古代文明に迷い込んでしまう。のび太とドラえもんは、そこでのび太とソックリの男の子と出会う。名はティオという太陽の国のマヤナ国の王子だった。
王子は、魔女レディナの呪いにかかって眠り続けている母親を助けるために日夜修行を積んでいたのだ。王子ティオは、のび太たちが住んでいる日本の話を聞いて興味を持ち、顔がそっくりなのを利用して、のび太と入れ替わることに。のび太は王子に、王子はのび太になるという不思議な生活が始まった。
顔はソックリでも性格はまるで反対ののび太と王子ディオ。母親にかけられた
呪いを解くために、のび太たちが時空を超えた冒険を繰り広げる。なお、本作は第18回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞作している。

