
1999(平成11)年興収ベスト10
(一般社団法人日本映画製作連盟より)
1位/劇場版ポケットモンスター
幻のポケモン・ルギア爆誕ピカチュウたんけんたい(東宝)
2位/リング2・死国(東宝)
3位/鉄道員(ぽっぽや)(東映)
4位/ドラえもん・のび太の宇宙漂流記のび太の結婚前夜
ザ・ドラえもんズ・おかしなお菓子なオカシナナ!?(東宝)
5位/名探偵コナン・世紀末の魔術師(東宝)
6位/梟の城(東宝)
7位/モスラ3・キングギドラ来襲(東宝)
8位/催眠(東宝)
9位/ホーホケキョとなりの山田君(松竹)
10位/ドクタースランプ・アラレのびっくりバーン(東映)

7位/モスラ3・キングギドラ来襲(東宝)
1998年12月12日に公開された。監督は、「モスラ」の米田興弘、特撮/鈴木健二、脚本は「モスラ2海底の大決戦」の末谷真澄、撮影を「モスラ2海底の大決戦」の関口芳則が担当る。造型/若狭新一、小林知己、出演者/小林恵、建みさと、羽野晶紀、吉澤拓真、篠崎杏兵、鈴木彩野、松田美由紀、大仁田厚、並樹史朗、上田耕一、山口紗弥加ほか。
配給収入は8億5千万円を記録している。この作品では特撮監督が川北紘一から、鈴木健二に代わり新たなシフトで行われた。鈴木監督は合成を主体とした空中戦を演出した。また造形には若狭新一を起用してより生物感のあるモスラやキングギドラを造形した。
モスラを弾着用も含めて4体製作、キングギドラも2体新規造型した。そのうえ恐竜と原始モスラまで製作したため、都市破壊シーンのミニチュア製作予算がなくなり、ビルの爆破はデジタル合成となっている。
平成モスラ3部作の最終作。様々な変身を遂げてきたモスラが、最強の敵キングギドラを倒すため、究極の戦闘モード<鎧モスラ>となって最後の戦いに挑む!凶悪怪獣キングギドラが復活した。平和の使者・モスラと、凶悪な宇宙怪獣・キングギドラの戦いを描いている。
前作で海を制したモスラがついに時間まで超え、キングギドラが時間移動した先は中世代となった。98年度東京国際映画祭特別招待作品となった。


8位/催眠(東宝)
1999年6月5日に公開された。監督は、落合正幸、脚本/落合正幸、福田靖、撮影/藤石修、出演者は、稲垣吾郎、菅野美穂、宇津井健、大杉漣、小木茂光、升毅、渡辺由紀ほか。
本作は、松岡圭祐の小説「催眠シリーズ」の映画化。映画の続編として2000年にTBSでテレビドラマ版が放送されている。催眠による連続殺人事件に挑む心理カウンセラーと老刑事の姿を描いたサイコ・サスペンスとして製作された。
松岡圭祐の原作を基に、監督は「世にも奇妙な物語シリーズ」など多くのドラマを演出してきた落合正幸。撮影を「踊る大捜査線」の藤石修が担当している。主演はSMAPの稲垣吾郎が菅野美穂と共演している。
配給収入は、8億5千万円を記録している。本作品は、奇妙な事件が都内で三件続けて発生したことから始まる。死者は全員「緑のサル」という謎の言葉を残していた。
ベテラン刑事・櫻井(宇津井健)はそれらの事件の背後に犯罪の影を感じ、心理カウンセラーの嵯峨(稲垣吾郎)から人を操る“催眠”の存在を聞き、彼と共に事件を調べ始める。
やがて彼らは、入絵由香(菅野美穂)という女性が「緑のサル」に怯えている事を知った。事件の調査が進む内に嵯峨は自分が底知れない恐怖に襲われることになる。ストーリー内の心理描写や謎を解いていく過程が見ごたえのあるサスペンスホラーに仕上がっている。

9位/ホーホケキョとなりの山田君(松竹)
1999年7月17日に公開された。監督は高畑勲、脚本/高畑勲、原作/いしいひさいち、音楽/矢野顕子、主題歌/矢野顕子「ひとりぼっちはやめた」。
原作は、朝日新聞で現在も連載している「ののちゃん」と、1991年~1997年まで連載していた「となりの山田くん」の2つとなっている。
どこにでもいそうなごくありふれた庶民的な山田家の人々が繰り広げるおかしくもほのぼのした日常のエピソードを織りまぜて、ユーモラスに短編的な構成で描いている長篇アニメーションである。
「ホーホケキョ となりの山田くん」は、高畑勲監督によるスタジオジブリの長編アニメ映画で、この作品からセル画を用いないデジタルで制作するようになった。また、今までスタジオジブリは東宝の配給であったがこの作品が唯一松竹によって配給された。
この作品には、多くの商標類(ダイドー、マイルドセブン、クロネコヤマト、月光仮面、ホンダ・ジョルノなど)が登場する。その原因は、高畑監督のデジタルでも水彩画のような画面にしたいとの意向で、通常の3倍もの作画(1コマに実線、塗り、マスク用の線の合計3枚)で制作費が膨れ上がったためではないかと推測される。
配給収入は7億9千万円を記録している。しかし、20億円の制作費用をかけ興行収入目標60億円としていたが、興行収入は15.6億円、配給収入は7.9億円に留まった。
本作は、平成期のスタジオジブリ作品としては最も収入が低い作品となってしまった。但し、ビデオ売上などによって最終的に黒字化を果たした。

10位/ドクタースランプ・アラレのびっくりバーン(東映)
1999年3月6日に公開された。監督は、「たまごっち ホントのはなし」の山内重保、脚本/「たまごっち ホントのはなし」の成田良美、原作/鳥山明、撮影を「金田一少年の事件簿」の福井政利が担当している。ゲストとして、キャイ〜ンのウド鈴木(ナシババ役)、天野ひろゆき(石川八右衛門役)が特別出演している。
「Dr.スランプ」は、鳥山明の連載漫画として集英社の「週刊少年ジャンプ」に連載が始まると、主人公のアラレの「んちゃ」「ぽよよ」などのユーモラスな「アラレ語」が大きな話題を集めた。本作は、1997年12月号~2000年7月号まで連載された「Dr.スランプ」を原作としている。
配給収入は、6億5千万円を記録している。本作は、東映アニメフェアで「遊☆戯☆王」、「デジモンアドベンチャー」と同時公開された劇場版アニメーションで、1997年にリメイクされた新TVシリーズ「ドクタースランプ」を劇劇場用アニメとして製作したもので、劇場版アニメの第10作目になる。
小さな島へキャンプにやってきたアラレたち。そこで絶滅寸前の「春の精・モコ
モコ」という妖精に出会い、仲良しになる。だが、そこに大怪盗ナシババが現れ
暖かな光を発する「太陽のかけら」という石を奪って逃げてしまった!
寒いと生きてはいけない「春の精・モコモコ」は、太陽のかけらがないと凍え死
んでしまう。早く「太陽のかけら」を取り戻さないとモコモコたちが死んでし
まう。
アラレたちは、「太陽のかけら」を取り戻すために大怪盗ナシババのアジトへと
向かう旅に出る!不思議の世界を舞台に、アラレと、仲間たちが大怪盗を相手に
大暴れする10代を対象としたアニメーション作品である。

