
1988(平成10)年興収ベスト10
(一般社団法人日本映画製作連盟より)
1位/踊る大捜査線THE MOVE(東宝)
2位/ポケットモンスターミュウツーの逆襲(東宝)
3位/ドラえもんのび太の南海大冒険(東宝)
4位/金田一少年事件簿・上海魚人伝説(東宝)
5位/不夜城(東映)
6位/プライド運命の瞬間(東映)
7位/名探偵コナン14番目の標的(東宝)
8位/モスラ2・海底の大決戦(東宝)
9位/リング(東宝)
10位/クレヨンしんちゃん・電撃ブタノヒズメ大作戦(東宝)

4位/金田一少年事件簿・上海魚人伝説(東宝)
本作は、1997年12月13日公開された。堂本剛・ともさかりえの主演コンビで大ヒットしたテレビ・シリーズの劇場版による完結篇として製作された。名探偵・金田一耕助の孫でIQ180の頭脳を持つ高校生・金田一一(はじめ)が、上海の雑技団で起きた連続殺人事件の謎に挑むサスペンスである。
監督は「さよならニッポン!」の堤幸彦、脚本/田子明弘、原作/天樹征丸、金成陽三郎、さとうふみや、出演/堂本剛、ともさかりえ、水川あさみ、陳子強、中尾彬、古尾谷雅人、シュウケン、橋本さとし、翆玲、佐貫真希子、アダ・マウロ、穂関ペペ、内田莉紗、何子嵐、顔希賢、北京中国雑技団、佐野瑞樹、原智宏、立川政市ほか。
配給収入は14億円を記録している。金成陽三郎とさとうふみやによる同名コミック、天樹征丸のノベルス版をもとに、田子明弘が脚本を執筆。堂本・ともさかの主演コンビ、古尾谷雅人ほかテレビ・シリーズのレギュラー・キャスが引き続き出演。撮影ではハイビジョンやCGを使い、上海でのロケーションも敢行された。
TVドラマ版金田一少年の事件簿、第1.2シリーズの完結編として映画化された日本テレビ開局45年記念作品でもある。また本作は1988年16回ゴールデングロス賞優秀銀賞を受賞している。


5位/不夜城(東映)
1998年6月27日に公開された。監督は、リー・チーガイ、脚色/リー・チーガイ、野沢尚、出演者/主演に「初恋」の金城武と、「三毛猫ホームズの推理」の山本未来、椎名桔平ほか。音楽/主題歌:B’z 「The Wild Wind」。
文芸評論家として活動していた馳星周の小説家としてのデビュー作である小説「不夜城」を原作とした映画作品である。「不夜城」は、1996年に第18回吉川英治文学新人賞を受賞している。1996年度の週刊文春ミステリーベスト10で共に第1位となっている。
配給収入は11億円をきろくしている。本作は、日本一の歓楽街として知られる新宿区歌舞伎町を舞台にしている。そこは、中国人たちが勢力争いを繰り広げる街と化していた。 日本と台湾のハーフ・劉健一(金城武)は、歌舞伎町の中国人の裏社会を器用に渡り歩いていた。
眠らない街、新宿・歌舞伎町で繰り広げられる中国系マフィアの抗争に巻き込まれるアウトローの生と愛をかけた闘いを描くアジアン・テイストなノワール・ムービーである。
ミステリー性の高いサスペンス。眠らない街・歌舞伎町に内包された恐ろしさが、映像として見事表現され舞台として成立している。主演の、金城武はこの作品で人気を不動のものにした。また本作は、第16回ゴールデングロス賞優秀銀賞を受賞している。

6位/プライド運命の瞬間(東映)
1998年5月23日に公開された。監督は、伊藤俊也、脚本/松田實夫、伊藤俊也、出演者/津川雅彦、奥田英二、大鶴義丹、戸田菜穂、前田吟、前田亜季、主門みず穂、村田雄浩、遠藤修、溝田茂、五十嵐義弘、山村弘三、有島淳平、寺田農、石橋蓮司、いしだあゆみほか。
本作は、極東国際軍事裁判結審50周年記念作品として製作され、東日本ハウス(現・日本ハウスホールディングス東京証券取引所一部上場の建設会社)創立30周年記念作品でもある。
日本ハウスホールディングスの創業者・中村功が極東国際軍事裁判で戦犯の無罪を主張したインドのラダ・ビノード・パール判事の話を映画にしたいと東映に持ちかけたのがキッカケで制作された。
本作は、極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯として裁かれた東條英機を中心に描き、戦争責任を敗戦国となった日本に全て押し付けようとする連合国に対し、東條が法廷にて「たったひとりの戦い」に挑むというストーリーであり、東條英機を1人の人間として描いた作品である。
配給収入は11億円を記録している。また本作は第16回ゴールデングロス賞優秀銀賞している。また、東條を演じた津川雅彦は、遺族や関係者に取材を行い、役作りに生かしたという津川はこの作品で、第22回(1999年) 日本アカデミー賞・優秀主演男優賞を受賞している。

