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日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

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三船敏郎と黒澤明監督との16作品

2019.12.31 by 西川昭幸

1955(昭和30)年〜1965(昭和40)年

①「酔いどれ天使」1948(昭和23)年4月27日公開。

黒澤明の個性的なテーマや技法が確立された作品。新人・三船敏郎は、こけた頬に眼光をギラギラさせて出色の演技を見せ、この1本でスターダムにのし上がった。

 共演/中北千枝子、志村喬、木暮実千代、山本礼三郎。脚本/植草圭之助・黒澤明

②「静かなる決闘」1949(昭和24)年3月13日公開。

特効薬が無く不治の病といわれた性病「梅毒」をテーマにした作品。軍の野戦病院で手術中に、梅毒を移された医師(三船)の葛藤を描く。

 共演/三条美紀、植村謙二郎、志村喬、中北千枝子。脚本/谷口千吉・黒澤明

③「野良犬」1949(昭和24)年10月17日公開。

刑事(三船)が満員バスの中で拳銃を盗まれた。犯人は、次々と殺人を重ねていく。三船が犯人を追いつめて行く過程がスリリングで面白い。

 共演/淡路恵子、志村喬、山本礼三郎、木村功。脚本/菊島隆三・黒澤明

④「醜聞(スキャンダル)」1950(昭和25)年4月30日公開。


画家(三船)が絵を描きに行った山で、有名な声学家(山口淑子)と知り合い、雑誌カメラマンに写真を撮られ、嘘の熱愛記事を書かれる。それを老弁護士(志村喬)が救う。満映で活躍した李香蘭こと山口淑子が出演し話題になる。

 共演/山口淑子、北林谷栄、志村喬、桂木洋子。脚本/菊島隆三・黒澤明

⑤「羅生門」1950(昭和25)年8月26日公開。


1951年ベネチア国際映画祭金獅子賞、米アカデミー特別賞(最優秀外国映画)を受賞した。「世界のミフネ」の起点となった作品。

 共演/京マチ子、森雅之、志村喬、上田吉二郎。脚本/橋本忍・黒澤明

⑥「白痴」1951(昭和26)年5月23日公開。


撮影中、黒澤が精神的重圧のあまり、ナイフで手首を切ろうとしたので、三船はナイフを取り上げた。松竹と4時間25分の長尺になったので揉めていた。

 共演/原節子、森雅之、久我美子、志村喬。脚本/久板栄二郎・黒澤明

⑦「七人の侍」1954(昭和29)年4月26日公開。


世界的な名作。日本映画史上のベストワン作品。日本の時代劇に西部劇の面白さを取り入れ、黒澤流のヒユーマニズムなどを盛り込んだ黒澤映画の最高峰。随所に見られる菊千代のおどけた場面は三船の演技プランとか。
共演/志村喬、津島恵子、木村功、宮口精二、加藤大介。脚本/橋本忍・小国英雄

⑧「生きものの記録」1955(昭和30)年11月22日公開。


原水爆の実験に脅威を感じる、町工場経営者(三船)が、ブラジルへ逃れようするが、猛反対の家族と対立。行けなくなった彼は、急に原爆の不安がつのって発狂し、工場に放火してしまう。黒澤明が原水爆反対を明確にした作品。

 共演/志村喬、青山京子、根岸明美、千秋実、清水将夫。脚本/橋本忍・小国英雄

⑨「蜘蛛の巣城」1957(昭和32)年1月15日公開。

撮影で、黒澤は三船に向かって本物の矢を射させた。後で三船は酒に酔った勢いで、散弾銃を持って黒澤の自宅へ押しかけたというエピソードがある。

 共演/山田五十鈴、志村喬、浪花千栄子。脚本/小国英雄・橋本忍・菊島隆三、他

⑩「どん底」1957(昭和32)年9月17日興開。

ゴーリキーの同名の戯曲を翻訳し映画化。江戸時代、場末の棟割り長屋でその日暮らしのどん底生活をする人々を描く。黒澤には珍しいロケが無い、セットのみの作品。

 共演/山田五十鈴、香川京子、中村鴈治郎、左卜全。脚本/小栗英雄・黒澤明

⑪「隠し砦の三悪人」1958(昭和33)年12月28日公開。

戦国時代、隣国に敗れた秋月家の大将(三船)が、姫と軍資金二百貫を持って同盟国まで脱出する話。黒澤明は菊島隆三、小国英雄、橋本忍の3人の脚本家に次々と難問をつきつけ、いかにして敵陣を突破するかを考えさせ、脚本を作り上げたと言われる。姫役の上原美佐が素人ながら好演した。ベルリン映画祭監督賞、国際映画批評家賞を受賞した。

 共演/上原美佐、千秋実、藤原釜足、藤田進、志村喬、上田吉二郎、三好栄子。

⑫「悪い奴ほどよく眠る」1960(昭和35)年9月4日公開。

政治汚職がテーマ。父親を汚職事件の犠牲で失った西幸一(三船)が、父親を死に追いやった元凶である政治家たちにさまざまな方法で復讐していく。

しかし、悪の根源はもっと深いところにあった。現代悪の汚職にメスをいれた、スリルとサスペンスの娯楽映画。老政治家役の森雅之が好演。

共演/森雅之、香川京子、三橋達也、志村喬、西村晃。脚本/小国英雄・橋本忍・久板栄二郎・菊島隆三・黒澤明

⑬「用心棒」1961(昭和36)年4月25日公開。

2人の親分が縄張り争いをしている宿場町。そこへ得体の知れない浪人者(三船)が来て、ヤクザを一掃し、去って行く。ピストルを持ち、マフラーを巻いた、キザでニヒルな仲代達矢が光った。ベネチア映画祭主演男優賞を受賞した。

 共演/仲代達矢、山田五十鈴、司葉子、河津清三郎。脚本/菊島隆三・黒澤明

⑭「椿三十郎」1962(昭和37)年1月1日公開。

 「用心棒」の続編ともいえる作品。最後の決斗シーンは日本映画史に残る演出だった。三船の居合斬りが、わずか0.3秒の早業。この映画が既存の、お芝居チャンバラ映画を斬り捨てた。

 共演/加山雄三、仲代達矢、小林桂樹、入江たか子。脚本/菊島隆三・小国英雄・黒澤明

⑮「天国と地獄」1963(昭和38)年3月1日公開。

高台に豪邸を構えている製靴会社の権藤(三船)の子供と間違えられて、お抱え運転手の子供が誘拐された。身代金3千万円を要求する犯人。警察と知能犯(山崎努)のかけひき…全編息詰まるサスペンスは見事。新幹線から身代金を落とすシーンが有名でこれを模倣した誘拐事件が実際に発生した。

 共演/香川京子、仲代達矢、三橋達也、山崎努。脚本/小国英雄・菊島隆三・久板栄二郎・黒澤明

⑯「赤ひげ」1965(昭和40)年4月3日公開。

江戸時代に幕府が設置した医療機関・小石川養生所を舞台に繰り広げられる庶民の人生模様や、所長・赤ひげ(三船)と青年医師(加山雄三)の心の交流を描く。2度目のベネチア映画祭主演男優賞受賞。

 共演/加山雄三、志村喬、山崎努、香川京子、二木てるみ。脚本/井手雅人・小国英雄・菊島隆三・黒澤明

拙著<美空ひばり最後の真実>が発売中です。

Filed Under: 昭和(中期) Tagged With: 三船敏郎, 黒澤明

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著者紹介(西川昭幸)

1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

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