
1988(平成10)年興収ベスト10
(一般社団法人日本映画製作連盟より)
1位/踊る大捜査線THE MOVE(東宝)
2位/ポケットモンスターミュウツーの逆襲(東宝)
3位/ドラえもんのび太の南海大冒険(東宝)
4位/金田一少年事件簿・上海魚人伝説(東宝)
5位/不夜城(東映)
6位/プライド運命の瞬間(東映)
7位/名探偵コナン14番目の標的(東宝)
8位/モスラ2・海底の大決戦(東宝)
9位/リング(東宝)
10位/クレヨンしんちゃん・電撃ブタノヒズメ大作戦(東宝)

1位/踊る大捜査線THE MOVE(東宝)
1998年10月31日に公開された。監督/本広克行、脚本/君塚良一、出演/織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀、ユースケ・サンタマリア、小林すすむ、佐戸井けん太、北村総一朗、斉藤暁、小野武彦、甲本雅裕、遠山俊也、神山繁、津嘉山正種、大和田伸也、筧利夫、小泉今日子、いかりや長介、音楽/松本晃彦、主題歌/織田裕二。
本作は、織田裕二主演の人気テレビドラマ「踊る大捜査線」フジテレビの連続テレビドラマの劇場版第1作である。副題は「湾岸署史上最悪の3日間!」である。テレビドラマの演出を務めた本広克行を監督に、スタッフ・キャストにはテレビ版のメンバーが集結した。
「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」というキャッチフレーズのもと、若手刑事青島(織田裕二)と警察官僚(柳葉敏郎)との友情、キャリアとノンキャリアの対立などを絡めた、新しい視点に立った刑事ドラマになっている。
配給収入は53億円を記録している。また、本作は実写邦画歴代興行収入第2位を記録。第22回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞をいかりや長介が受賞した。
ほかに本作は、最優秀録音賞(芦原邦雄)、優秀作品賞、優秀監督賞(本広克行)、優秀主演男優賞(織田裕二)、優秀助演男優賞(柳葉敏郎)、優秀助演女優賞(深津絵里)、優秀脚本賞(君塚良一)、優秀撮影賞(藤石修)、優秀照明賞(石丸隆一)、優秀編集賞(松尾浩)、優秀音楽賞(松本晃彦)話題賞・俳優部門(織田裕二)を受賞している。
さらに、第20回ヨコハマ映画祭*日本映画ベストテン第9位・脚本賞(君塚良一)・審査員特別賞(「踊る大捜査線 THE MOVIE」製作チーム)、わかやま市民映画祭最優秀主演男優賞(織田裕二)、第24回おおさか映画祭・助演女優賞(小泉今日子)、第72回キネマ旬報ベスト・テン・読者選出日本映画ベスト・テン第3位、第53回毎日映画コンクール・日本映画ファン賞、第39回優秀映画鑑賞会ベストテン・日本映画ベストテン第7位、第8回日本映画批評家大賞・特別賞(スターライト賞)、第17回ゴールデングロス賞・最優秀金賞・話題賞など数々の賞を獲得している話題作である。


2位/ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲(東宝)
1998年7月18日に公開された。テレビアニメ「ポケットモンスター」の劇場版第1作である。監督/湯山邦彦、脚本/首藤剛志、製作/吉川兆二、五十嵐智之、盛武源、製作総指揮/久保雅一、川口孝司、音楽/宮崎慎二、主題歌/小林幸子。
本作の配給収入は21億円を記録している。映画公開の翌年1999年11月10日には、アメリカで「Pokémon: The First Movie」として全米で公開、興行収入8000万ドルを記録。これは「日本映画初の週間興行ランキング初登場第1位」であった。
人気TVアニメシリーズ「ポケットモンスター」の劇場版長編アニメーションである。伝説のポケモン“ミュウ”の化石から作られた最強のポケモン“ミュウツー”が人間たちに逆襲を挑む。
ポケモンマスターを目指し、修行の旅を続けるサトシとピカチュウ、カスミ、タケシの一行のもとにある日、最強のポケモントレナーを名乗る人物から一通の招待状が届いた。しかし、それは、「ミュウツー」の罠であった。
そうとも知らず、サトシたちは嵐で大荒れの海を渡って<ポケモン城>を目指す。そこで待ち受けていたのは、ポケモンをゲットし、それをもとにさらに強いポケモンを作り、人間たちへの逆襲を計画する最強のポケモンであり、最強のポケモントレーナーでもあるミュウツーだった!
計り知れないミュウツーのパワーに圧倒され、ピンチをむかえた時、幻のポケモン「ミュウ」が現われる。ミュウツーのコピーポケモンと、サトシたちのポケモンとの間で悲壮なバトルが続く。一体勝つのはどっちだ?!

3位/ドラえもんのび太の南海大冒険(東宝)
1998年3月7日に公開された。監督は芝山努、脚本/岸間信明、原作/藤子・F・不二雄である。声優としては、大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、たてかべ和也、肝付兼太、千々松幸子、中庸助ほか、ゲスト声優にはマッハ文朱、早見優、上條恒彦、江守徹が登場している。
月刊コロコロコミック1997年10月号から1998年3月号に掲載されたドラえもんシリーズの作品で、大長編シリーズ第18作、映画シリーズ第19作である。本作は、てんとう虫コミックス45巻収録の短編「南海の大冒険」、同じく41巻収録「無人島の大怪物」が原案となっている。
配給収入は21億円を記録している。原作者である藤子・F・不二雄没後の第1作であり、原作漫画は藤子・F・不二雄プロダクションが担当している。 配給収入は前作「のび太のねじ巻き都市冒険記」も含め、当時の歴代最高額を記録した。
序盤は原案である短編作品のコマをそのまま引用している部分が多く、財宝を目当てにジャイアンやスネ夫たちと「ほどほど海賊船」で出来レースを演じるくだりなどもそのままである。なお、大長編ドラえもんvol.18「のび太の南海大冒険」は当時のチーフアシスタント、萩原伸一(むぎわらしんたろう)が手掛けている。
また本作は、第53回(1998年度)毎日映画コンクールアニメーション映画賞、第16回ゴールデングロス賞優秀銀賞、第2回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品などを受賞している。

