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日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

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1985(昭和60)年の世相

2019.12.20 by 西川昭幸

1966(昭和41)年〜1988(昭和63)

〈古都保存税でお坊さん反旗〉

京都市が7月10日から実施した古都保存協力税をめぐって、市と京都の寺院が対立。同税は、市内寺院の拝観料に大人50円、こども30円を上乗せし、文化財保護などの財源に充てようとしたもの。紆余曲折の結果1987(昭和62)年度限りで市が同税を廃止することで終結した。

〈史上最悪、日航機御巣鷹山に墜落〉

8月12日午後6時12分、羽田空港を離陸して大阪に向かった、日本航空機が伊豆半島東岸近くの上空で異常事態に陥り、航続不能となった。30分間の迷走飛行の果てに、群馬県の御巣鷹の尾根に墜落。

奇跡的に4人の生存者が発見されたものの単独機として航空事故最大となる520人の犠牲者を出した。

〈その他の出来事〉

6月15日、兵庫県警が、金の現金まがいの商法で被害者続出の豊田商事本社を強制捜査。18日、永野一男会長が自宅に乱入した男2人に報道陣の目の前で刺殺される。6月24日、歌手・松田聖子と俳優・神田正輝が結婚。

10月16日、阪神(監督・吉田義男)が、21年ぶりにリーグ優勝。阪神ファンはもちろん、全国の野球ファンが燃えた。勢いに乗った阪神は日本シリーズで西武ライオンズを4勝2敗で下し、初の日本一にも輝いた。日本国中を巻き込んだ阪神フィーバーは過剰なまでにヒートアップした。

「日本アカデミー賞」と「東京国祭映画祭」

第1回「日本アカデミー賞」が1978(昭和53)年4月6日に設立された。主催・日本アカデミー賞協会。アメリカのアカデミー賞を模し、暖簾分けとして設立された。日本アカデミー賞協会は、日本国内の映画関係者によって構成される。会員は主要映画館でフリーパスの特権が与えられ、映画を観て審査する。会員は5千人以上いる。

「日本アカデミー賞・プログラム」の画像
「日本アカデミー賞」プログラム

選考の対象となる作品は、受賞式の前々年12月から前年の11月末までの1年間に東京都内で公開された映画。授与される賞は正賞15部門があり、その他に新人俳優賞がある。

日本アカデミー賞は日本国内の他の映画賞とは異なり、作品賞、監督賞、脚本賞、俳優賞、アニメーション作品賞(2007(平成19)年新設)のみならず技術部門賞も設けている。

近年、日本テレビでの全国放送もあり、受賞式の場で、初めて最優秀賞を発表するイベント性や、俳優が一堂に会することもあり、その認知は向上された。

他の製作会社が選ばれるチャンスが低い

しかし、選出会員はその3割が日本映画製作連盟(映連)加盟会社であることや、大手5社(松竹、東宝、東映、角川、フジテレビ)と、系列会社社員で構成されているため、優秀賞を選ぶ時点で、4社製作作品が有利になり、他の製作会社が選ばれるチャンスが低いとされていた。

そもそも、会員は全ての作品を鑑賞することは困難で、一定以上の興行収入を残さないと評価の対象となりにくい。単館上映や小規模上映の作品は不遇を強いられる。その結果、宣伝力や知名度の高い監督、俳優に偏重し、大衆的な支持を集める作品に、主要部門賞を独占するといった傾向が強い。

しかし、プロダクション作品が多くなった最近、選出作品も変わって来ているようだ。2013(平成25)年から、一般の人は入場券(食事付)を買って、授賞式の模様が見られるようになった。服装はセミフオーマル以上が原則である。

国際映画製作連盟(FIAPE)公認 映画祭

この「日本アカデミー賞」から7年後の、1985(昭和60)年に「東京国際映画祭」が開催された。この映画祭は、国際映画製作連盟(FIAPE)公認で、長編作品のみを対象としている。主催は財団法人日本映像国際振興会。

日本映画界各社の懸命な努力で実現したこの映画祭に政府の補助金も付き、1985(昭和60)年、隔年開催で渋谷の映画館を中心に開かれた。しかし、1991(平成3)年から毎年の開催が決まり、会場も六本木ヒルズ内のTOHOシネマライズ六本木や、恵比寿など、その都度変っている。

日本映画の振興としての役割も多く、経済産業省で立ち上げた「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」の中核としても期待されている。近年、オープニング招待映画も話題作が上映され、ゲストも知名度のある国際スターが来るようになった。

映画バイヤーの商談も活発で、日本映画の国際市場の進出も、この映画祭を契機に多くなってきている。しかし、2019(令和元)年で34回を迎えたこの映画祭のグランプリ受賞作品から、世界的大ヒット作品が出ていないのが気になるところ。

拙著<美空ひばり最後の真実>が発売中です。

Filed Under: 昭和(後期) Tagged With: 日本アカデミー賞, 東京国際映画祭

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著者紹介(西川昭幸)

1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

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