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日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

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日本を代表する昭和の名女優!・山田五十鈴‐その2‐

2019.11.20 by 西川昭幸

-その1-を読む

山田五十鈴(平成24年没)

昭和九年、「愛情峠」で溝口健二監督との出逢いがあった。この作品で山田は演技を徹底的に絞られた。撮影中はテスト、テストの繰り返しで、一日が終わる事もあった。五十鈴は芸の厳しさを体験した。その後の昭和11年、溝口健二監督の「浪華悲歌」、「祇園姉妹」に主演し、演技開眼をし、演技派としてもトップスターの座を獲得した。

1938(昭和13)年以降は、長谷川一夫とのコンビで「鶴八鶴次郎」、「蛇姫様」、「婦系図」と、ヒットを飛はし、山田のスターとしての地位を不動のものにした。

その後の作品は「或る夜の殿さま」「女優」「現代人」「縮図」「唐人お吉」「猫と庄造と二人に女」と続く。

昭和31年は「母子像」や「流れる」(監督:成瀬巳嘉男)で、キネマ旬報女優賞、ブリールボン賞、毎日映画コンクール主演女優賞なども受賞した。

山田五十鈴「蜘蛛巣城」の画像
山田五十鈴「蜘蛛巣城」で迫真の演技(昭和32年/40歳)

本人が熱望した黒澤明監督との作品は「蜘蛛巣城」、「どん底」、「用心棒」と続くが、映画は1958(昭和60)年、松竹の「必殺!ブラウン館の怪物たち」で終わる。後年は舞台の傍ら、映画には助演出演していた程度で主演作はない。山田は多くの映画賞を受賞しているが、ここでは、余りにも多いので省略する。

                 ○

私生活は、恋多き女性として常にマスコミを騒がせた。正式な結婚は四度、同棲者や浮名を流した俳優、監督は数知れず—-。時代と芸歴が分るので、その内、結婚した4人をとり上げてみたい。

まず、最初の結婚は1935年(昭和10)年、日活から第一映画社に参加しとき、「建設の人々」の作品で、俳優の月田一郎と急速に親しくなり結ばれた。山田一八歳の時である。月田は大学中退で俳優になり、山田より7歳上だった。松竹、新興キネマでは主演スターだったが、やや不良性感度の強い自己破滅型の性格がわざわいしいて俳優としては大成しなかった。

山田はこのときのことを「当時、両親が不仲となり、別居状態が続いていたこともあって孤独だったので結婚した。」と回顧している。たしかにこの頃、山田の私生活は荒れていたようだ。

翌年3月、山田は月田との間に女児をもうけ、美知子と名付けた。後の女優・嵯峨三智子である。しかし、良人の月田は役に恵まれず、夫婦の収入に差が生じるようになり夫婦仲も次第に亀裂が入り別居。1942(昭和17)年、ついに離婚する。六年間の結婚生活であった。娘の美知子は月田家が引き取った。

二回目の結婚相手は、東宝映画のプロデユーサー津村和男。津村は大学を卒業してハリウッド映画のスタッツフ経験をしていた。津村のプロデユースした「上海の月」(監督:成瀬巳嘉男)のロケ先で親しくなり、1942(昭和17)年「帝国ホテル」で結婚式をあげた。月田一郎とのときは挙式も披露もしなかったので、初めての白無垢の花嫁姿になった。

月田一郎とは俳優同士の結婚で失敗したが、今度の夫はプロデユーサーで女優の仕事にも理解があり、共同で仕事もできるのではないかと考えた。月田と離婚した時、この愚は再び繰り返すまい、二度と結婚すまい、と心に固く誓っていいた山田の、考えに考え抜いた結婚だった。

しかしこの結婚、僅か一年で破局する。山田の女優としてのキャリが津村には堪えられなくなっていった。何処へ行っても「山田五十鈴さんのご主人」という、前書きが付いた。

後年、離婚理由を「この結婚は、要するに、私の非情な芸道至上主義的な考えかたから生まれたエゴイスティックなものだったんです。」(「映画とともに」山田五十鈴著 三一書房)と語り、津村をかばう表現をしている。

(-その3-へ続く)

Filed Under: 四方山話, 昭和 Tagged With: 山田五十鈴

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著者紹介(西川昭幸)

1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

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