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日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

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戦後の新しい鉱脈がアニメであった

2019.11.11 by 西川昭幸

1966(昭和41)年〜1988(昭和63)年

アニメが理屈抜きでヒットした 

1978(昭和53)年度の動員トップテンのピークに達した松本零士原作の「さらば宇宙戦艦ヤマト」は、興行的には確かに大ヒットだった。

「風の谷のナウシカ」の画像
風の谷のナウシカ(昭和59年)

この作品は、原作のイメージを少し離れた、ユーモア欠如の熱血ドラマ、そしてかっこ良いキザなセリフ、かつての特攻隊のような、悲壮観極まりない玉砕精神が強調され、よくよく見れば時代錯誤的アニメだった。

しかしそれが、この世代の若者に欠けていた資質だったのだろう。友情・冒険・未来などのテーマも共感を得て、とにかく理屈抜きでヒットした。

続々とテレビ放送が始まった

ヤマトのテレビ放送が始まった1974(昭和49)年、「アルプスの少女ハイジ」も放送された。こちらのアニメの流れは、1978(昭和53)年長編「未来少年コナン」を生み、1979(昭和54)年劇場用長編「ルパン三世 カリオストロの城」と続き、1984(昭和59)年の「風の谷のナウシカ」では圧倒的な支持を得る。

これらはいずれも宮崎駿の演出作品である。その特色は同じ冒険活劇でも個性と人間愛があり、これがユーモアとスリルと痛快感を増幅させていた。特に「風の谷のナウシカ」は、キネマ旬報ベストテンの7位、同じく読者選出のベスト・テン1位になった。さらに毎日映画コンクール賞も受賞し、アニメの優秀さがクローズアップされた。

興行配収と同額のキャラクター商品を売りまくった

もう1つの隠れたアニメのヒットシリーズが映画「ドラえもん」だった。1980(昭和55)年、1982(昭和57)年、1984(昭和59)年と興収トップテンに食い込む成績に成長している。そして、「ヤマト」と「機動戦士ガンダム」「ドラえもん」は、その興行配収と同額のキャラクター商品を売りまくったのである。戦後の新しい鉱脈がアニメであった。

振り返ると、アニメは1980年代に入ると、「風の谷のナウシカ」(1984(昭和59)年4月)が劇場公開され、この後、東映動画を離れて、スタジオジブリを立ち上げた高畑勲と宮崎駿らが、2年に1本程度の間隔で「天空の城ラピュタ」(1986(昭和61)年8月)、「となりのトトロ」(1988(昭和63)年4月)などのオリジナル劇場用アニメを公開した。

宮崎駿らが始めたジブリは後塵を拝し続けていた

しかし、宮崎駿らが始めたジブリは新しいレーベルであり、興行面では「ドラえもん」や「東映まんがまつり」などの後塵を拝し続けた。ジブリが商業的に大成功を収め、一般大衆の誰もが知るようになるのは1990年代以降である。

その後の躍進は目覚ましく、2014(平成26)年現在、日本で上映された映画の興行成績ベスト6を見ると、ジブリ作品が3本も入っている。

日本映画界は正にアニメに占領された感がある

①千と千尋の神隠し(ジブリ、2001(平成13)年)、②アナと雪の女王(ディズニー、2014(平成26)年)、③タイタニック(パラマウント、1998(平成10)年)、④ハリーポッターと賢者の石(ワーナーブラザーズ、2001(平成13)年)、⑤ハウルの動く城(ジブリ、2004(平成16)年)、⑥もののけ姫(ジブリ、1997(平成9)年)である。

今は初期のアニメファンが親になり、子供と一緒に鑑賞することも有り、1990年第〜2014年迄は、日本映画界は正にアニメに占領された感がある。今やアニメは世界的に普及し日本発のコンテンツとして貴重な商品に成長していった。

Filed Under: 昭和(後期) Tagged With: スタジオジブリ, 宮崎駿, 松本零士, 高畑勲

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著者紹介(西川昭幸)

1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

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