• Skip to primary navigation
  • Skip to main content
  • Skip to primary sidebar
  • Skip to footer

日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

  • 令和
  • 平成
  • 昭和(後期)
  • 昭和(中期)
  • 昭和(初期)
  • 大正
  • 明治
  • アニメ
  • よもやま話

1981(昭和56)年の世相

2019.11.05 by 西川昭幸

1966(昭和41)年〜1988(昭和63)年

〈ウルフ・フィーバー〉

1月11日から始まった大相撲初場所。鋭い眼光と精悍なマスク、筋骨隆々とした肩で「ウルフ」の異名を持つ千代の富士が初優勝し大関に昇進した。7月の名古屋場所後には横綱となった。

181㎝、116㌔と小兵ながら、スピードとパワーにあふれる圧倒的な強さのニューヒーローが誕生した。その後、昭和最後の大横綱、千代の富士のウルフ・フィーバーが当分続いた。その反面、1月17日、大関貴ノ花が、大関在位50場所の最長記録を残して引退した。

「青春の門」の画像
青春の門(昭和56年)

〈ピンク・レディーが解散〉

3月31日、後楽園球場で社会現象まで興した「ピンク・レディー」が解散コンサートを開いた。昭和50年代前半、アイドル・ユニットの名を越え、凄まじい人気を誇った、ピンク・レディーの解散は正に衝撃的であった。

〈中国残留孤児の家族探し〉

3月2日、中国残留日本人孤児47人が成田空港に降り立った。35歳〜43歳までの男性23人、女性24人。ソ連が参戦し、混乱で家族らと離別した日本人孤児が集団で肉親捜しをする第1回の訪日調査で、まだまだ終わらない戦後が、ここにもあった。

〈北海道発・北の国から〉

10月9日、倉本聰の脚本によるテレビドラマ「北の国から」(フジテレビ系)がスタート。北海道の富良野を舞台に田中邦衛扮する黒板五郎と純(吉岡秀隆)と蛍(中嶋朋子)の家族が、家庭間の葛藤を抱え、周囲の人々と衝突しながら、たくましく成長していく姿を描きあげた。

放送当初は視聴率が低かったが次第に反響を呼び、人気番組となった。北海道の大自然も見どころの1つで、富良野の知名度が全国的になりロケ地は観光名所になった。

〈その他の出来事〉

1月25日、中国最高人民法院特別法廷が、「四人組」の江青・張春橋に死刑判決。1983(昭和58)年1月に無期懲役に減刑される。

2月15日、東京・有楽町の日本劇場(日劇)が、48年の歴史に幕を閉じて閉館する。

8月22日、遠東航空が、台湾で墜落。作家の向田邦子ら乗員乗客110人全員が死亡。9月8日、1億8千万円を愛人のために詐欺した三和銀行女性行員、マニラで逮捕される。

北海道にミステリー列車走る

「さよなら銀河鉄道999」の映画宣伝で、北海道にミステリー列車が走った。タイトルは「ミステリーツアーさよなら銀河鉄道999・ロマンの旅」、主催・札幌テレビ放送ラジオ局、協力・ホクレンほか、後援・国鉄北海道総局、近畿日本ツーリスト。

「さよなら銀河鉄道999ロマン旅」の画像
さよなら銀河鉄道999ロマン旅(昭和56年)

ツアーは、1981(昭和56)年7月25日から1泊2日で行われた。参加者は10歳から18歳迄。ラジオで呼びかけた応募者1,070人の中から抽選で450人が選ばれ、参加料9,999円を支払い、アンドロメダ行のパスポートを持って参加した。

当日、札幌駅発の列車、999号「アンドロメダ行き」は何処へ行くのか誰も知らない。心配な父兄はラジオから刻々流れる、列車情報を聞くより方法が無かった。まさにミステリーで、携帯電話も無い時代のこと。

「銀河鉄道999」の曲が高らかに流れた

列車には原作者の松本零士、キャプテン・ハーロックの声優・井上真樹夫などが乗り込んだ。札幌駅の始発ホームは父兄、マスコミ取材陣、一般の人がいっぱいで大混乱。発車ベルが鳴り、主題歌、ゴダイゴの「銀河鉄道999」の曲が高らかに流れ、999号は出発した。

列車内では、999に関わる謎解きクイズやサイン会などイベントが盛りだくさん。局アナウンサーは、車内イベントの紹介やラジオ中継などで、てんてこ舞い。途中通過駅をラジオで紹介するので、先を見越した多くのファンが沿線で手を振るなど盛り上がった。

駅名が「アンドロメダ駅」に

列車は最終駅、士幌線「上士幌駅」(1987(昭和62)年に廃線)に到着。列車を降りたら駅名が「アンドロメダ駅」になっている。

更に現地の小学生120人がマーチングバンドで出迎えてくれた。街には「歓迎・銀河鉄道999、ロマンの旅、ようこそ!ミルクのふるさと上士幌へ!」の横断幕が掲げられ、ブラスバンド隊を先頭に上士幌町市内のパレードが有り、大草原のイベント会場へ向かう。

イベント会場では北海道特産のブースがあり、ミルク、とうきび、いも、かぼちゃ、果物、海産物などが食べ放題。熱気球2基に順番で乗れるコーナーや乗馬体験も出来た。

舞台では松本零士、井上真樹夫とのトークなども実施。参加者は十分楽しんだ。その日の泊りは十勝川温泉。翌日、地域の観光名所を訪ね、札幌へ戻った。

こうしたイベントが全国各地で実施された

ラジオと地域の協力、企業や父兄の理解など沢山の協力で出来たイベントで、人の善意が集大成されたような企画だった。こうしたイベントが全国各地で実施された。もちろん映画「さよなら銀河鉄道999」が大ヒットした事は言うまでもない。 こうした企画は当時、筆者と宣伝課長・石川芳彰(後・東映専務)と、年間2本位は実施した。映画・俳優のスチール展を皮切りに「日曜まんが教室」「竹宮恵子・地球へ」「ヤマト展」「サイボーグ009展」「木枯し紋次郎展」「東映俳優歌謡ショー」「さよなら藤純子展」「タイアップの海外旅行企画」など枚挙に暇がない程実施した。映画イベントのはしりであった。

Filed Under: 昭和(後期) Tagged With: 倉本聰, 松本零士

Primary Sidebar

著者紹介(西川昭幸)

1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

四方山話

「大林宣彦監督」の画像

「映像の魔術師」大林宣彦監督死去

2020.04.16 By 西川昭幸

「理想の母」を演じた名女優・八千草薫

2020.04.04 By 西川昭幸

98歳「日本一のおばあちゃん役者」他界 2010(平成22)年

2020.04.03 By 西川昭幸

他の四方山話記事を読む

アニメ

自分の感情をストレートに出すだけが人間ではない

2020.04.01 By 西川昭幸

日本映画に対するオマージュではなく、生きようとしている人に対するオマージュ

2020.03.24 By 西川昭幸

この胸が詰まっている感じに名前を付けてください

2020.02.24 By 西川昭幸

他のアニメ記事を見る

タグ一覧

スタジオジブリ (5) トーキー映画 (5) マキノ雅弘 (5) 三船敏郎 (14) 中村錦之助 (4) 今井正 (8) 勝新太郎 (5) 原節子 (5) 吉永小百合 (5) 大映 (9) 大河内傅次郎 (4) 宮崎駿 (6) 小津安二郎 (5) 尾上松之助 (8) 山本嘉次郎 (3) 山田洋次 (8) 市川崑 (6) 市川雷蔵 (4) 新東宝 (5) 日活 (19) 木下恵介 (7) 東宝 (66) 東映 (48) 松竹 (43) 栗島すみ子 (3) 梅宮辰夫 (3) 森谷司郎 (6) 森道夫 (6) 森雅之 (3) 活動写真 (15) 深作欣二 (5) 渥美清 (6) 片岡千恵蔵 (4) 牧野省三 (5) 石原裕次郎 (7) 稲垣浩 (5) 美空ひばり (8) 衣笠貞之助 (4) 角川映画 (4) 角川春樹 (5) 阪東妻三郎 (10) 降旗康男 (4) 高倉健 (12) 高峰秀子 (6) 黒澤明 (21)

Footer

新刊紹介

最近の投稿

  • 平成14年の日本映画年間ベスト10、No.1,2,3 2020.06.18
  • 平成13年の日本映画年間ベスト10、No.7,8,9,10 2020.06.18
  • 平成13年の日本映画年間ベスト10、No.4,5,6 2020.06.01
  • 「蜜蜂と遠雷」(配給/東宝) 2020.05.23

検索

Copyright © 2022 · 日本映画100年史