
1966(昭和41)年〜1988(昭和63)年
〈松田聖子デビュー!〉
4月1日、シングルレコード「裸足の季節」で歌手のスーパーアイドルがデビユーした。松田聖子である。時代を変革したこのアイドルのシングルは次々とヒットチャートで1位を獲得。髪型が少女たちの間で大流行し、言動も話題になるなど、その存在自体が1980年代の世相を象徴していた。
〈銀座で1億円拾う〉
4月25日、トラック運転手が東京・銀座の道路脇のガードレール支柱の上に置かれていた風呂敷包み入りの1億円を拾い、墨田区本所署に届けた。6ヶ月たっても落とし主が現れず時効となり、拾い主の物となった。

〈日本不参加のモスクワ五輪〉
7月19日、第22回オリンピック・モスクワ大会が開催された。ところが前年暮れ、ソ連がアフガニスタンに侵攻したことで、アメリカ、ドイツ、中国、日本などが不参加。柔道の山下泰裕、マラソンの瀬古利彦ら、五輪で活躍が期待されていた選手たちの落胆は大きく涙した。
〈山口百恵引退・結婚〉
11月19日、東京・赤坂霊南坂教会で山口百恵と三浦友和が結婚式をあげた。歌手として、また女優として絶頂期にあった山口百恵は、1973(昭和48)年のデビュー以来、シングルレコード総売り上げ1,000万枚を超え、1978(昭和53)年には、NHK紅白歌合戦で19歳の最年少記録となるトリを務める。
TBSのテレビドラマ「赤い…」シリーズでは高視聴率をあげ、「伊豆の踊子」などの主演映画も立て続けにヒット。トップスターの座に上りつめていた。
しかし、10月5日、「幸せになります」と言って引退宣言。デビューから8年。アナログ時代の最後のスターである山口百恵に、多くのファンが惜しみながらも、その潔さに喝采を贈り祝った。結婚後、メディアに登場しない事で、かえって山口百恵は伝説的な存在となった。
なお、山口百恵の最終公演は10月5日からの東京・日本武道館をスタートし、名古屋、大阪、福岡、札幌と続いた。
またこの年の9月、山口百恵著「蒼い時」(集英社)が出版され、その複雑な生い立ちから恋愛、性体験までが赤裸々に綴られ、衝撃を与えた。発売1週間で100万部を突破し、大ベストセラーになった。

〈その他の出来事〉
1月16日、来日した元ビートルズのポール・マッカートニーが大麻所持で逮捕される。5月23日、黒澤明監督の「影武者」がカンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)を受賞。12月8日ザ・ビートルズのジョン・レノンがニューヨークの自宅前で凶弾に倒れた。
享年40歳。愛と平和を訴え続けたスーパースターの突然の死は、世界中に衝撃を与えた。東京原宿に歩行者天国“通称ホコ天”ができた、原色の奇抜な衣装を身にまとい、ラジカセから流れるディスコ・サウンドに合わせる「竹の子族」が登場した。

