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日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

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平成7年の日本映画年間ベスト10/No.1,2,3

2019.10.27 by 西川昭幸

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1995年(平成7年) 配収ベスト10  

(一般社団法人日本映画製作連盟より)


1位/耳をすませば(東宝)
2位/ゴジラVSスペースゴジラ(東宝)
3位/男はつらいよ・拝啓、車寅次郎様(松竹)

4位/学校の怪談(東映)
5位/ドラえもん・のび太の創生日記(東宝)
6位/ドラゴンボールZ・復活のフュージョン!!悟空とベジータ(東映)
7位/美少女戦士セーラームーンS(東映)
8位/家なき子(東宝)
9位/聞け、わだつみの声(東映)
10位/蔵(東映)

「耳をすませば」の画像
耳をすませば(東宝)

1位/耳をすませば(東宝)

1995年7月15日に公開された。集英社発行の「りぼん」に連載された柊あおいの漫画作品を原作として近藤喜文監督、スタジオジブリ制作のアニメーション映画作品。脚本 は宮崎駿、制作/鈴木敏夫、宮崎駿である。

本作品の監督は近藤喜文であるが近藤はスタジオジブリの高畑勲監督の映画作品『火垂るの墓』や『おもひでぽろぽろ』のキャラクターデザイン・作画監督としてスタジオジブリ作品の作画で支えてきた人物である。

しかし、近藤喜文は1998年に46歳という若さで病死したため、本作が近藤にとって最初の長編映画監督であり、残念ながら最後の作品となってしまった。

また、本作は第13回ゴールデングロス賞・最優秀金賞、マネーメイキング監督賞、日本映画復興賞・日本映画奨励賞、全国映連賞・新人監督賞、児童福祉文化賞、中央児童福祉審議会特別推薦文化財指定などを受賞している。

配給収入は18億5千万円を記録している。本作品の設定は、原作とは異なり背景は東京都の多摩市・日野市・武蔵野市などが舞台となっており、街並みなども京王線聖蹟桜ヶ丘駅周辺の絵柄が多い。

本作品は、現代を生きる中学三年生の少女のリアルな日常を見事に描いている。主人公の「雫」は普通の中学三年生、そして理解のある両親、仲の良い友達、そんな「雫」が、ヴァイオリン職人を目指す同級生の「聖司」と会う。

恋に恋する女の子「雫」は、彼への思いを深める中で、自分の将来について真剣に考え始める「雫」が小さな一歩を踏み出すという設定。思春期の少年少女が経験する初めての恋や、進路の悩みが爽やかなタッチで描かれている。

ジブリ作品の中でも、黒田聡、男鹿和雄、高坂希太郎など、ジブリの精鋭が大集結して制作した美しい朝日のシーンや、透明感あふれる背景は素晴らしく、作品の随所にトトロや「紅の豚」のポルコ・ロッソが登場するなど、スタッフのこの作品への愛情が伝わる仕上がりになっている。

「ゴジラVSスペースゴジラ」の画像
ゴジラVSスペースゴジラ(東宝)


2位/ゴジラVSスペースゴジラ(東宝)

1994年12月10日に公開された。監督は本編を山下賢章、特撮を川北紘一、脚本/柏原寛司、出演は、橋爪功、小高恵美、米山善吉、今村恵子、大沢さやか、斉藤洋介、吉川十和子、上田畊一、中尾彬、佐原健二、江本明ほか。

本作品はゴジラシリーズの21作目である。実は本来前作の『ゴジラvsメカゴジラ』でシリーズを一旦終了する予定であったが、ハリウッド版「ゴジラ」の製作が遅れに遅れたために急遽製作されたものである。

G(ゴジラ)細胞によって誕生したスペースゴジラとゴジラ、そして対ゴジラ戦闘ロボット・モゲラの激しいバトルを中心に展開する。宇宙へ飛んで行ったゴジラ細胞が突然変異を起こして生まれた新怪獣スペースゴジラと、人類側の新兵器モゲラ、そして怪獣王ゴジラが戦いを繰り広げる。

配給収入は16億5千万円を記録している。本作は、娯楽性の高い作品であり、登場する怪獣は五体でシリーズ最多である。平成時代に製作されたゴジラシリーズの中で唯一、ゴジラと人類が共闘する作品でもある。

ハリウッド版ゴジラの製作が遅れた状況を受けて東宝が本作を急遽企画したため、それまでのスタッフは別途新作映画「ヤマトタケル」の製作に参加していた。そのために、ゴジラシリーズに初めて参加するスタッフが多く、これらの事情が背景にあったため、作品の評価は他と比較すると低いといわれている。

「男はつらいよ・拝啓、車寅次郎様」の画像
男はつらいよ・拝啓、車寅次郎様(松竹)


3位/男はつらいよ・拝啓、車寅次郎様(松竹)

1994年12月23日に公開された。男はつらいよシリーズの47作目である。監督は山田洋次、脚本/山田洋次と浅間義隆、出演は渥美清、吉岡秀隆、倍賞千恵子、下條正巳、三崎千恵子、太宰久雄、前田吟、佐藤蛾次郎、牧瀬里穂、かたせ梨乃、ほか。
本作では、満男の新たなマドンナである川井菜穂(牧瀬里穂)と寅次郎のマドンナである典子(かたせ梨乃)の恋が同時進行で描かれている。大学を卒業し、靴メーカーの営業マンとなった満男が、大学の先輩川井から祭りに誘われ、休暇をとって長浜にやってきた。
そこで出会った先輩の妹・菜穂(牧瀬里穂)と揉めてしまう。寅さんは、撮影旅行を楽しんでいる主婦・典子(かたせ梨乃)と出会う。旅の暮らしを続けている寅さんと典子は「本当の幸福について」ひととき語り合う。満男は菜穂とのロマンス。寅さんと満男、それぞれの“淡い恋”が描かれる。
渥美清はこの時、肝臓の癌が肺にまで転移しており、主治医からは出演は無理と言われていたが無理を承知で出演した。渥美清のガンは悪化し、本作では観客の目にも寅さんの“異変”が認められるほどの映像になっている。
配給収入は15億5千万円を記録している。本作が、本来の寅さんシリーズのような見どころが少ない作品になっているのは、渥美清の体調をおもんばかった山田監督が脚本を修正したのは明らかである。演技においても物語においても、気づかいが目立つ作品になっている。

物語の終盤に寅さんが満男に授けた教え、「お前まだ若いじゃないか。燃えるような恋をしろ、大声出して、のたうち回るような、恥ずかしくて死んじゃいたいような恋をするんだよ」。この作品が寅さんシリーズの終焉に向けての寅からの最後のメッセージであることに気がつく。ぜひその点に注目しながら本作をご覧いただきたい。

Filed Under: 平成 Tagged With: 東宝, 松竹

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著者紹介(西川昭幸)

アバター1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

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