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日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

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1977(昭和52)年の世相

2019.10.11 by 西川昭幸

1966(昭和41)年〜1988(昭和63)年

〈さゆり演歌 津軽海峡・冬景色〉

石川さゆりが1月に発売した「津軽海峡・冬景色」がヒットした。1973(昭和48)年にアイドル歌手としてデビューした石川さゆりだったが、白い帽子姿で売り出す方針が桜田淳子と重なったこともあり、ヒットに恵まれなかった。

この曲はそれまでの路線から脱却し、演歌に方向転換することで石川本来の歌唱力をアピール。阿久悠の歌詞が、凍える海峡を船に乗って帰郷する傷心の女性とその情景を描いて哀愁をかもし出し、憂いをおびた石川の歌唱とともに、聴く者の心を揺さぶった。

石川はこの曲のヒットで、日本レコード大賞歌唱賞を受賞するとともにNHK紅白歌合戦にも初出場した。

〈その他の出来事〉

8月7日午前9時12分、北海道・支笏洞爺国立公園内の有珠山(標高727m)が32年ぶりに噴火。死者2人、行方不明者1人を出した。10月10日、東京・新宿の歌声喫茶「灯」が閉店。23年間に、延べ600万人が集った。学生のたまり場が、また1つ消えた。

10月、アメリカ黒人作家の大ベストセラー小説「ルーツ」が1月、全米で8日間連続放送され平均45%という高い視聴率を取り、社会現象になった。日本でもNET(現・テレビ朝日)がこれと同じ方式で放送した。

ゴールデンタイムのレギュラー番組をぶち抜いて、8日間連続ドラマを放送するのは日本初の試みで、アメリカ同様、高視聴率を上げた。

第一次カラオケブームが到来

この年、関西で生まれたカラオケが東京を席巻し始め、第一次カラオケブームが到来、まだ8トラテープの時代だった。また、映画各社は1本立て興行に積極的に取り組み、多くの名作が生まれて劇場は久しぶりに賑わった。

公開順に上げると、4月7日「悪魔の手鞠唄」(東宝、監督・市川崑)、6月4日「八甲田山」(東宝、監督・森谷司郎)、8月27日「獄門島」(東宝、監督・市川崑)、10月1日「幸福の黄色いハンカチ」(松竹、監督・山田洋二)、10月8日「人間の証明」(東映、監督・佐藤純彌)、10月29日「八つ墓村」(松竹、監督・野村芳太郎)などがあった。各作品とも配給収入は6億円以上を記録した。

「八甲田山」の画像
八甲田山(昭和52年)

「八甲田山」歴代配収1位に 

洋画を中心に1本立てが主流になっていたとき、邦画は窮地に立たされていた。その対抗策が洋画並みの1本立てロングラン公開だ。この試みを成功させたのが、邦画部門で歴代配給収入ナンバーワンの約25億円を稼ぎ出した「八甲田山」(監督・森谷司郎)だった。

映画は日露戦争開戦直前の1902(明治35)年、青森と弘前の連隊に属する将校210人が国威発揚と耐寒訓練を兼ねての厳寒の青森・八甲田山に雪中行軍を挑み、199人が遭難死する事件を映像化した人間ドラマ。

原作は新田次郎の「八甲田山・死の彷徨」。高倉健、北大路欣也らが出演し「天は我らを見放した」というセリフでも話題になった。創価学会系列のシナノ企画、脚本・橋本忍の橋本プロ、東宝の製作である。

Filed Under: 昭和(後期) Tagged With: 北大路欣也, 東宝, 森谷司郎, 高倉健

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著者紹介(西川昭幸)

1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

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