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日本映画100年史

本【日本映画100年史】をリアルタイムで加筆していく、ライブブックブログ!

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評論家と大衆の趣向は関連しない

2019.09.29 by 西川昭幸

1951(昭和25)年〜1955(昭和29)年

講習記録ベストテンあれこれ

映画には、いろいろなベストテンがある。しかし、その時代や世相を反映するのは、観客の趣向が分かる興収記録だろう。それ以外は、選ぶ人の思考が入り様々だ。

1953(昭和28)年の日本映画興収ベストテンを見てみると、①君の名は・第2部(松竹)、②君の名は・第1部(松竹)③ひめゆりの塔(東映)④太平洋の鷲(東宝)⑤戦艦大和(新東宝)⑥花の生涯(松竹)⑦夏子の冒険(松竹)⑧花の講道館(大映)⑨学生社長(松竹)⑩花の喧嘩状(大映)である。この年「君の名は」が圧倒的動員力を誇っていた。

こちらは観客が選んだ映画ベストテンだが、しかしこれが、評論家などが選ぶ、キネマ旬報「日本映画ベストテン」は、次のような結果であった。

①にごりえ(文学座、新世紀映画)②東京物語(松竹)③雨月物語(大映)④煙突の見える場所(8プロ、新東宝)⑤あにいもうと(大映)⑥日本の悲劇(松竹)⑦ひめゆりの塔」(東映)、⑧雁(大映)⑨祇園囃子(大映)⑩縮図(近代映画協会、配給・新東宝)となる。

大衆が趣向する作品と関連しない

同じベストテンでも大きな違いが有るのが、お分かりと思う。評論家などが選んだベストテンの中で観客が好んで観た作品は「ひめゆりの塔」しか入っていない。

キネマ旬報ベストテンは、作品の質評価で、芸術性に優れているか、作品としての主義や主張、社会性などが基準になる事が多い。必ずしも大衆が趣向する作品と関連しない。そのため業界では「キネマ旬報の賞を取った作品は当たらない」との風説があり、それは今でも生きているようだ。

大衆が欲する作品と評論家が選ぶ作品が、あまりにも違い過ぎる。そう感じるのは筆者だけだろうか。「良い映画とは何か!」その基準がいつも問われるところである。

好きな俳優のベストテン

この年、全道労協が1952(昭和27)年7月〜1953(昭和28)年9月迄を対象とした「映画ファンアンケート」を実施した。その中で「貴方の一番好きなスターは誰ですか」の質問項目が有り、俳優のベストテンが挙がっているので、記しておきたい。

女優の部=①原節子②木暮実千代③津島恵子④高峰秀子⑤山田五十鈴⑥久我美子⑦京マチ子⑧香川京子⑨淡島千景⑩岸恵子。

男優の部=①佐分利信②三船敏郎③山村聰④長谷川一夫⑤笠智衆⑥佐田啓二⑦宇野重吉⑧佐野周二⑨池部良⑩森雅之、である

Filed Under: 昭和(中期) Tagged With: キネマ旬報

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著者紹介(西川昭幸)

1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。
映画会社勤務などを経て現在、公益社団法人理事。
<主な著作>
「北の映画物語」(北海タイムス社)、
「美空ひばり公式完全データブック 永久保存版」(角川書店)、
「活字の映画館 明治・大正・昭和編」(ダーツ出版)、
「日本映画100年史」(ごま書房新社)、
「美空ひばり最後の真実」(さくら舎)、
「昭和の映画ベスト10、男優・女優・作品」(ごま書房新社)

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